きれいな脚と花

夏になるとテレビコマーシャルでもやたらと治療薬の紹介がされて、それで知った気になっている水虫という病気ですが、実は勘違いしている方が大多数なのです。白癬菌という真菌が原因菌なのをご存知でしょうか。どのような症状があるのか・どこに感染するか、どう対処すれば良いのかなど知っておかないと自身が感染したことさえ気がつかないのです。感染経路を分かっていなければ、防ぐことだって出来ず真菌はやってきてしまいます。

水虫ってどんな病気?

水虫を起こすのは白癬菌という真菌の一種で、それと24時間以上という長期に渡って接触していると皮膚の中で繁殖を始め活発化してしまいます。すなわち、24時間以内に洗い流してやりさえすればたとえ接触があっても皮膚内までは来ないということです。家に帰ってきたら足を洗いましょうと言われますが、予防方法として理にかなっているのです。

人の体には免疫力というのがありますから、ある程度の病気は跳ね返すことが出来ます。逆に、疲れやストレス・食生活の乱れなどによって免疫力が弱っていると、病気になりやすいのです。
水虫だって、放っておいても体が追い出してくれるので、自然治癒するはずと思っていたら甘い考えです。繁殖のスピードが早くて、体が追い出そうとする以上の早さでどんどん入り込んできてしまうからです。テレビコマーシャルでやっている市販薬を使うのも良いですが、出来れば病院に、それも皮膚科に行って適切な薬をもらってきて使用するようにしましょう。抗真菌薬と言って、真菌が増えていくのを阻害する効果を持つ薬が有効です。これで動きを止めてやらないと、足に発症したものが爪へと到達するとやっかいなことになります。何しろ爪というと硬くて分厚い皮膚なので、通常であれば塗り薬でよいもののそれだと表面にしかその成分が行き届かないことになってしまうのです。そうなると、副作用の危険性が高い内服薬が処方されることとなり、定期的に血液検査を行いながらの治療が必要です。

水虫というと菌が関係する薬がないと治らないやっかいな病気であるということと共に、治療には根気が要ることも知っておきましょう。抗真菌薬を使えばあっという間にとはいかず数ヶ月程度、爪水虫の場合には半年から1年もの間ずっと毎日薬を服用し続けなければならないのです。もしも途中で諦めてしまえばもう一度菌が力をぶり返して再発してしまいます。でも、毎日きちんと薬を塗ってさえいれば治る病気です。その昔は爪水虫といえば不治の病とされていたのですが、とにかく1年頑張れば大丈夫になりました。更には、休薬期間を設けながらのもっと楽な服用治療も入ってきていますし、レーザーの照射による治療法も使われるようになりました。皮膚や爪が生まれ変わるまでの期間として数ヶ月から1年は必要なのは仕方ないにしても、治療の負担はどんどん減ってきています。

水虫に感染するとどうなる?

もしも感染してしまった場合に、厄介なことに繁殖する部位がどこかで症状が全く違ってくるのです。かゆい・皮膚がぐじゅぐじゅになるという、誰もがイメージするのは足水虫の中でも、し間型と言って指と指の間に感染するものを指します。初期段階では皮膚が赤くなり、やがては白くなって行きます。ムズムズとかゆいので掻き毟っていると、その中の水が出てきてぐじゅぐじゅのすごい見た目になってしまうのです。

それ以上に強いかゆみを伴うのが小水疱型、小さな水泡が足のフチなどに出来ます。掻き毟って水泡が破れてもまたその隣に出来てと、薬を使わない限りは治ることはありません。

かゆくない水虫もあります。それが角質増殖型です。冬ならばともかく、夏にもかかとがカサカサでひび割れていたりしませんか。保湿クリームを塗るのは逆効果です。何しろ白癬菌が関係するこれも水虫なのです。

このように症状はそれぞれ異なるものの、これらは免疫が菌と戦っている証拠なのです。そのうち慢性化してしまうとかゆみなどの不快な症状はある程度落ち着いてきます。でもそれで安心していてはいけません。何しろ免疫力が対処できないほどに菌が広がってきている証拠で、更に爪の方にまで勢力を広げていってしまいます。

爪には神経が通っていないので、やはりかゆい・痛いといった自覚症状が出てくることはありません。爪の色が変わったり厚みを増したりといった見た目の変化となります。やがてはボロボロになって皮膚が見えてくると歩くたびに靴に当たって痛い、ということになり、そうなれば日常生活への影響も大きくなるでしょう。糖尿病患者など極端に免疫力が弱っている方だと、更に白癬菌の進行速度は早くなり止めるものがありません。その結果、壊疽を起こして足を切断といった事態にまで進んで行くことだってあるのです。

たかが水虫、とはいえ決して油断することは出来ないというわけです。何となくかゆくなってきた・赤くなってきた・かかとの角質が赤みを増してきた、そんな初期症状の段階で治療薬を使って原因菌を退治してしまわなければなりません。早期発見出来るよう、日々自身の状態を観察しておくようにしましょう。もちろん知識もないと、ただ単に爪の色が変わった程度で病院に行くのはちょっとと躊躇してしまうこととなります。

水虫の原因は真菌

水虫の原因となるのは白癬菌という真菌で、その昔は土の中で生活していたものなのですが進化の過程で人の皮膚に付くようになったのです。それは足に、そして爪にというだけではありません。何しろ彼らが好むのは人の皮膚の最外層にある角質の成分・ケラチンです。口腔内や膣内などぬるぬるとした粘膜となっているような部分にケラチンはありませんが、それ以外であれば頭皮から顔・体・足まで全身のどこにでもやってくるのです。足だけでもかかとと指の間・フチとそれぞれに症状は異なります。更には頭であればしらくも、全身に発症するのがぜにたむし・股の周辺であればいんきんたむし・手に発症すれば手白癬と、病名も違い様々な症状をもたらすこととなるのです。やはり、知識と日々の観察が必要となってきます。

ちなみに、白癬を起こす白癬菌は世界に40種類以上も存在するのです。日本にはそのうちの10種類ほどがいて人の体に影響を与えています。トリコフィトン・メンタグロフィテスという、最近になって海外から輸入されてきた白癬菌もあり、今後も気をつけている必要はありそうです。白癬菌は人だけではなく動物にも感染するので、犬や猫などのペットから移されたというケースもあり、自分たち自身だけでなく全身を毛に覆われたペットの皮膚も飼い主としてはきちんと観察しておいてやらねばならないというわけです。

白癬菌たち真菌は、ようはカビなのです。そのため高温多湿環境を好みます。梅雨から夏の時期にかけてテレビコマーシャルが多くなるのも、ちょうど日本全体が高温多湿になって活動が活発化するからです。でも、たとえ冬でもお風呂場や靴の中など温かくて水気もほどほどにあってという環境はどこにでも発生します。季節が変わったからといって油断することなく、1年を通じて気にかけておくことと、接触したかもと思ったらすぐに洗い流してやることをおすすめします。風邪やインフルエンザのウイルスのように、空気を通じて感染してしまうようなことはなく皮膚の角質が触れるようなことがなければ問題ありません。でも意外と、感染者の使っていたタオルやスリッパを共有するなどして身近にいくらでも危険はやってきているわけです。正しい知識を持っていないと、何気なくやっている行動が原因となります。